アラファト議長も暗殺か、放射性物質ポロニウム検出 [戦争と金]

アラファト議長は毒殺?
    2012年7月4日(水)10時26分配信 共同通信

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2012070401000920/1.htm

 【カイロ共同】中東の衛星テレビ、アルジャジーラは3日、04年に死去したパレスチナ自治政府のアラファト議長(当時)の死因について、致死性の放射性物質ポロニウムで毒殺された可能性があると報じた。血液や汗、尿が付着した衣類などから高い濃度のポロニウム210が検出されたという。アラファト氏は04年10月に議長府で体調を崩し、11月11日、搬送先のパリ郊外の病院で死去した。死因は不明。


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アラファト議長 放射性物質ポロニウム210「暗殺」疑惑
    2012年07月05日

http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/83ff4dfeb38c0d6efb228f9d55f690eb

『パレスチナ自治政府議長(国家元首)の暗殺』

中東の衛星テレビ、アルジャジーラは3日、2004年に(死因は不明とされた)75歳で死亡したパレスチナ自治政府のアラファト議長の死因について、致死性の放射性物質ポロニウムで毒殺された可能性があると報じた。
アラファトは04年10月にイスラエル軍に完全包囲された軟禁状態のヨルダン川西岸ラマラの議長府で体調を崩し、11月11日、搬送先のパリ郊外の病院で75歳で死去。
当初からイスラエル政府による毒殺説が取りざたされていた。(当時のシャロン首相はアラファト殺害の選択肢を公言していた)
妻のスーハさんが、病院から渡された遺品の歯ブラシや衣類などをアルジャジーラに持ち込み、スイス・ローザンヌの放射線物理学研究所が、議長の血液や汗、唾液などが付着した衣服や歯ブラシ、カフィーヤ(ずきん)を分析したところ、毒性の強いポロニウム210が検出された。
アル・ジャジーラはアラファト暗殺犯についての何も触れていないが、当時のパレスチナ自治政府の議長府はイスラエル軍戦車に直接攻撃され全壊に近い状態であった。
電気を止められた議長府内で、辛うじて残っていた議長執務室に立て篭もって籠城していたアラファト議長の周りを、イスラエルによる議長殺害を阻止する目的の欧米人権擁護組織の人々による『人間の盾』が守っている、危機的な極限状態だった。
だからアラファトの死亡時には、何一つ証拠が無い状態でも『イスラエルによるアラファト暗殺』説を人々が噂していたのです。
通常の放射能測定装置では検出不能なポロニウム210でのアラファト暗殺が真実であるなら、イスラエル(極右政党リクードのシャロン首相)による暗殺の可能性が一番高いと思われる。
現在のイスラエルの首相はシャロンの後を継いだオルメルトへと変わったが、今はアラファト死亡時の2004年当時と同じで極右リクードのベンヤミン・ネタニヤフ第32次首相である。
リクードのシャロン中将は2000年9月に聖地エルサレムにある神殿の丘の上にある岩のドーム(ムハンマドが昇天した場所でイスラム教の三大聖地のアル・アクサモスク)にイスラエルの武装警察2000人と共に押し入り怒ったパレスチナ人の抗議行動(第2次インティファーダ)を引き起こし、当時の労働党バラック政権を崩壊させて自分が首相に納まった人物である。
第2次インティファーダ(イスラエルの軍事占領に対するパレスチナ民衆蜂起)では死者数はイスラエル側が1200人に対してパレスチナの犠牲は7倍に上り、合計1万人近い死亡者を出している。

『アラファトのポロニウム210暗殺説の真偽』リトビネンコ暗殺事件の胡散臭さ

アラファトの死亡(ポロニウム210での暗殺?)の2年後の2006年に起きたのがポロニウム210によるリトビネンコ暗殺事件である。
イギリスが突然、元KGBのリトビネンコ中佐が(今回のアラファトと同じ)聞き慣れない(今まで前例が無い)ポロニウム210で暗殺されたと唐突に断定し、元同僚のルボコイ(ロシアの野党国会議員)を容疑者としてロシア政府に身柄の引渡しを要求している。
2007年暮れにイギリス政府は、『不当である』と容疑者引渡しを拒んだロシアに対して外交官4人を制裁として追放。ロシア側も報復として英国外交官を追放する騒ぎに発展している。
日本や欧米のマスコミ報道ではロシア人女性ジャーナリスト射殺事件と関連付けて、『元KGB長官だったプーチンなら当然やりそうだ』(ロシアの暗殺説)が、ほとんど真実として報道されている。
前代未聞の不思議な事件(歴史上初めての放射性毒物による暗殺)なのだが、3・11を契機に既存の権威が信用崩壊を起こした現在とは大違いで、この当時はマスコミの報道内容を疑うものが誰一人もいないほど信用度が抜群に高かった。
日本人全員が何の疑問も感じずに丸々信じたのです。
しかし、この事件は欧米や日本のマスコミの報道姿勢が可也変です。
基本的に『間違い』ですね。
放射能の持つ科学的な客観的事実とは、まったく合っていない。
放射線防護学の安斎育朗教授(霊感商法やカルト、疑似科学に対して反対する活動を行っている)によると、基本的に放射性物質による毒殺は非効率で即効性に欠ける。
もちろん放射能は危険ですが、いみじくも枝野幸男民主党幹事長(現通商産業大臣)が福島第一原発からの放射性物質の大量漏洩で、繰り返し強調していたように『直ぐに健康に影響は出ない』(短期間なら安全)なのです。
ポロ二ウム210はアルファ線を出すが空中で最大3センチ以内しか飛ばず、放射能測定器の内部の窓まで届かないので、通常のガイガーカウンターでの検出は不可能。
しかし持ち運びは容易に出来き、服のポケットに忍ばすことも可能。
ルボコイ氏と会食直後に体調を崩したとされるが、口から食べたのなら3ヶ月程度、血液注射で2~3週間後に影響がでてくる。
リトビネンコの尿から検出されているので腎臓にポロニウムが蓄積されていることが考えられ、血液に注射された可能性が高い。

『イギリス政府の対応は不可解。日本の報道機関の対応も不可解』

この暗殺事件でのイギリスとロシアの争いは9対1以上の圧倒的なスコアでイギリスの勝ち。
此れはブレアとプーチン両者の印象も影響している。
インチキな理由でイラク戦争を始めたので幾等かは信用を失ったが、今なお民主主義のイギリスのブランドイメージは健在で、イラク戦争さえ無ければ99対0の圧勝のはずだった。
それ程イギリス=民主主義のイメージは人々の間に定着している。
私も『プーチンならやりそうだ』が第一印象ですが、しかしマスコミ報道が、科学的な真実とは程遠く可笑しい。
宣伝広報の臭いがプンプンする。英国が典型的な印象操作を行っている可能性が高い。

『まずポロ二ウム210=ロシアのマスコミ報道が間違い。真っ赤な嘘』

2007年当時の日本のマスコミは異口同音に、『ポロニウム210はロシアしか無い放射性物質』と大宣伝していたのですよ。
ウラン238が放射線を出しながら崩壊して最後には鉛になるが、崩壊途中の中間物質がポロニウムである。
ポロニウム210何ら特殊なものではない。
ポロニウム210の入手では英米やイスラエルなど、国内で原子力機関を所有する国は、暗殺の嫌疑を一方的にかけられたロシアと同等の『資格』があったのである。
それなら当時のマスコミが繰り返し繰り返し報道していた『ポロ二ウム210はロシアしかない』は何かの誤解のたぐいでないなら、真っ赤な嘘か、悪質な印象操作であろう。
ルボコイ氏が第一容疑者になった最大の根拠とは、死去したKGB元中佐のリトビネンコが突然体調不良になった当日に会った人物だったからだが、これが一番嘘くさいのです。
致死量を超える大量投与なら別だが、『暗殺』のような相手に分からない程度の少量の口からの放射性物質(ポロニウム210)の摂取では数ヵ月後にしか影響が出ない。(放射能は直ぐには影響が出ない)
しかも、口からなら尿からではなく便から検出されるはず。
β線やγ線中性子線による核兵器や東海村臨界事故でも、高温の熱風による被害を除く、純粋の放射線被爆では、被害がわかるまで長い一定の時間が必要でした。
ポロ二ウムに限らずDNAを傷つける『放射能』には、そもそも即効性は無い。
事実チェルノブイリ原発事故の消火作業で致死量以上の放射線を浴びた消防士や兵士達でも、始めの1週間はまったく症状が出ることはなく一見元気そうだったのです。
特に今回の様な透過力が極端に弱い、α線による短期の殺害は可也難しそうです。
放射線防護学の安斎育郎立命館大学教授によると暗殺犯人は(DNAの損傷により)少しずつ体力を奪って病気死亡を狙ったか、(短期決戦なら)タリウムなどの毒物との併用との考えです。
いずれにしろ放射性毒物の真相は、イギリスや当時の日本のマスコミの論調とはイメージが大きくかけ離れている。

『経口投与で数ヶ月、血液注射で数週間。』

基本的に人体に対する致死量は戦時中のアメリカのマンハッタン計画時に死刑囚に実験されていますが、『放射能』の即効性はまったく無いとされています。
安斎さんの論拠もたぶんアメリカの人体実験の結果からと思われるが、戦争中だから出来た実験で今再実験は絶対に不可能ですね。(動物実験の場合、体重あたり人に換算すると膨大な量を投与する。相手に気付かれず密かに飲ます必要が有る今回に当てはまるかどうか疑問)
しかも核兵器を2回も使用し今後も使用したいアメリカとしては、なるべく放射線被爆の危険性を低く見せたいでしょうから、データを何処まで信用できるかは難しいところでしょう。
しかし、今回の体調を崩した当日に会食したルボコイ氏を暗殺容疑者と断定する英国は、対ロシアの印象操作している疑いが濃厚です。(ルボコイ氏は右翼政党名簿第二位の人物。日本なら亀井静香、小沢一郎クラス。もし逮捕が可能でも自白はない)
自白があったとしても裁判で有罪判決が下りる確率は限りなく低く、逮捕を主張する英国の目的は単なる反ロシアの印象操作の可能性が高い。
ロシア事情は複雑怪奇。チェチェン紛争でモスクワの一般住民のアパートが連続爆破された事件では、チェチェンのイスラム過激派では無く、KGB関与説が根強く噂されている。

『イラン危機と関連している今回のアル・ジャジーラのアラファト暗殺報道』

パレスチナの絶対的なカリスマ的政治家でノーベル平和賞受賞者でもあるパレスチナ自治政府のアラファト議長の死因について、8年後の今頃になって明らかになる真意とは、いったい『何が原因』しているのであろうか。
以前のパレスチナの抵抗運動はアメリカの全面援助による圧倒的なイスラエル軍の力の前に、無残に挫折させられている。
今回の中東の衛星テレビ、アルジャジーラの報道(8年前のアラファト暗殺疑惑)で、もう一度イスラエルに対する抗議行動が再燃するだろうが、彼我の力関係には差がありすぎるので前回と同じ結果しか出ないだろう。
今のパレスチナ内の政治情勢に占めるアラファトの実質的な影響力は皆無で、すでに『歴史上の偉人』程度の話でしかなくなっているのです。
しかも、今の中東の最大感心事といえば、パレスチナ問題ではなくてイラン問題である。
イランの核疑惑(アメリカの軍産複合体のでっち上げの形跡がある)に対してイスラエル軍による奇襲攻撃がイスラエル高官の口から選択肢として、平気で語られているのである。
しかし今年秋の大統領選挙を目の前に控えているバラク・オバマとしてはイラン・アフガンの後始末も出来ない内での、イラクの何倍もある中東の地域大国であるイランとの戦争を望んでいない。
それなら今回のアルジャジーラの大スクープ記事(アラファト暗殺の暴露)の狙いは、イスラエルのリクード政権のイラン奇襲攻撃の軍事冒険を、過去のイスラエル諜報部の悪事を暴くことで信用を落として、それとなく牽制する意味が大きいと思われる。

タグ:ポロニウム

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